木材自体は環境負荷が少ない
木材(木工品及び木製品)は製造時のエネルギー使用量が鉄やアルミニウム、プラスチックなどその他の素材と比較すると非常に小さい上、これらの製品と違い資源そのものを再生産するができます。
それに加えて、使われなくなった後も木材チップや繊維に、加工やリサイクルができる環境負荷の少ない素材です。
また、木材は微生物などの働きにより分解が可能なので土に返すこともできます。
さらには、木工品及び木製品は繰り返しメンテナンスして長い期間使用する事ができることから木材が蓄えている炭素の排出を抑えるという意味でも環境に対する負荷は抑えられていると言えます。
一方で木材の輸送は環境負荷が大きくなる
しかし、木材の輸送には大量の化石燃料が使われるため、海外からの輸入量や輸送距離が増えるほど、環境負荷は大きくなります。
現在の日本の木材供給量の7割程度を占める輸入材は大量の化石燃料を燃焼させ、温室効果ガスを放出しながら日本に運ばれてきます。
数値としては日本はアメリカの約5倍、ドイツの22倍の環境負荷をかけて木材を諸外国から調達している事になるそうです。
繰り返しになりますが、日本には豊富な森林資源があり、それが放置されている事が問題になっているにも関わらずです。
このような矛盾を数値的にとらえ木材輸送の環境負荷を表す指標として、ウッドマイレージやウッドマイルズという考え方が生まれました。
ウッドマイレージ、ウッドマイルズとは
ウッドマイレージとは、木材の輸送量と輸送距離を乗じ、輸送時の環境負荷を数値化したものを指します。ウッドマイルズとは、木材の産地から消費地までの輸送距離のことで、「ウッドマイレージ=木材の輸送量(㎥)×ウッドマイルズ(km)」によって算出されます。
この考え方からするとより近い場所から木材を調達する事で環境負荷を劇的に抑える事ができるのです。当然ながら近い場所=国内または地場の木材を利用し木工品及び木製品を生産するのが望ましいという事になります。
この概念は、1994年に、イギリスの消費者運動家・シティ大学ロンドン食料政策学教授のティム・ラング が提唱したフードマイル に影響を受けて、当時の森林総合研究所理事であった藤原敬さんによって『「ウッドマイルズ」(木材総輸送距離)と地域材利用住宅』という小論文が発表されたのをきっかけに誕生しました。
国内の木材を使用し、木工品/木製品を生産する事の意義
世界的に見て適切な量を使い、伐り、植えて育てる事、そしてそれを繰り返すことが重要な木材の利用、ひいては森林環境の維持においては、先進国ではフィンランド、スウェーデンに次ぐ森林大国である日本の木材を使用する事は現在の地球環境の改善に非常に重要なアクションであると言えます。
そして国産材の活用がされない背景としては安価な輸入木材が利用されている事に加えて、林業従事者の高齢化や減少が挙げられます。
こちらの問題に関しては国産材の活用を広げていくことに加えて日々日本の森林保全活動に携わる方々への資金的、人的なサポートが必要です。
HAND in HANDでは収益の一部を森林保全活動に対して寄付をすることに加えて、ボランティアへの参加も積極的に行ってまいります。
HAND in HANDでの国産木工品/木製品の消費体験は、国産材及び環境にいい影響を与える木材の活用、森林保全活動への貢献をすることができます。
一人一人の小さなアクションが大きな流れとなり、私たちにとって大事な地球環境がより良くなっていくことを願っています。