HAND in HANDは、日本産の間伐材を使用した木製品のみを取り扱うオンラインマーケットプレイスです。SDGsの影響もあり、世界的に環境保全が推進される中、森林を伐採して得た木材を使うことはかえって抵抗があるかもしれません。
しかし、日本の木材を使用することが実は日本の森の保全につながることはご存じでしょうか。今回はそんなお話をしていきます。
日本では手つかずの森が増えています
森林を間伐や伐採をして木材にすることと、環境破壊は実はイコールではありません。特に日本においては。その理由は日本の森林の多くが手つかずのまま放置されているという現実があるからです。
戦後の国策によって杉や高級材であるヒノキが大量に植林されたことがあります。1950
年ごろは木材の国内自給率は9割程度もありました。しかし1960年頃から解禁された安価な輸入木材によって高品質で私たちの環境に適した国産木材の多くが活用されず、その結果放置されている森林が6割以上にものぼります。
そして現在の日本における木材の自給率は2~3割だと言われています。つまり、日本は国土の7割近くが森林であるにもかかわらず、上手に活用されていない状況なのです。
国産木材を使用することは資金を山に還元することになる
日本の林業が衰退してしまっていることは多くの方がご存じでしょう。林業とは森を木材にするだけでなく、森を育成・管理する仕事でもあります。林業は慈善事業ではなくビジネスです。林業がこれまで以上に衰退してしまえば森は放置されてしまいます。
「手つかずの森」と言うと響きはよく聞こえるかもしれませんが、適度に間伐がされなければ木々や枝が密集してしまい光合成ができず、森は育ちません。さらには低木には日光が当たらなくなるので日光が必要な若い木ほど栄養が行き届かなくなるのです。
光合成とは植物が生長するために二酸化炭素を原料として行われるものです。つまりいくら大きな木であってもそれが老木であれば、光合成はさかんに行われません。一方で木々も人と同じように呼吸はしているので酸素を吸って二酸化炭素を排出します。一般的に成長過程の木々である方が光合成における二酸化炭素の吸収量が、呼吸による二酸化炭素の排出量を上回る量が大きくなります。つまりは、地球環境のためには、実は今ある成長しきった木を残すことよりも、若い木を育てていくことの方が重要ということです。
戦後の政策で行われた大規模な植林によって植えられた木々は、今まさにその半数が収穫の時期にきており、森林資源はかつてないほどに充実しています。
ぜひこの機会に、日本産の木材を使用した製品を手に取ることを考えてみてください。